みらいの進路は帝国海軍の一大拠点・トラック島。ひと時の休息の間、陸軍参謀・辻正信に連合艦隊長官・山本五十六、そして草加に角松と、それぞれの思惑が交錯する。役者は十分に出揃った。
その役者の一人である辻正信は。作戦の神様とも呼ばれる陸軍きったの頭脳派だが、史実の彼はいかにも日本の官僚って感じだであり、踊る大走査線THE MOVIE 2に出てきた女管理官に通じるものがある。その彼も漫画のキャラクターとなり、草加が絡む事によってこうも面白くなるものか。こういうのが楽しめる現代も、この敗戦の上に築かれている事を忘れてはならない。
石原莞爾とい人物はご存知だろうか。もちろん歴史教科書にも登場する人物なのだが、関東軍の参謀として満州事変を引き起こした軍人で、本当の意味での天才であると言えるだろう。その著書には戦後の冷戦構造などを見事に予測した程だが、そんな出る杭は叩かれるというのがいかにも日本社会。後に首相となる東條英機と対立し、歴史の表舞台からは消え去る事になる。
そんな石原と、海軍きっての頭脳派(?)である草加が合流。60年後の世界から手に入れた知識を手土産に、ジパング構築のために議論を始める。ようやく幕が上がったばかりだと言うのに、どんどん物語のスケールは広がる。
そういえば、もし石原莞爾が陸軍の主導権をにぎっていたらどうなっていただろうか。歴史にタラ・レバは禁物だけれど、想像するのも中々楽しいものであるけどな。因みに、彼と対立した東條英機、日本の開戦時の首相であり、ハゲ・ヒゲという風貌から独裁者なイメージが付きまといがち。だけど、彼に持っとも似た総理大臣っていうのが、あの小渕恵三っていうのも、ちょっとしたトリビア。
新しい目的地は母港・横須賀、この帰港は山本長官の計らい。そんなみらいを狙うのは空母ワプスを中心としたアメリカ海軍の機動部隊。そして、みらいの随伴艦である伊号潜水艦にも、組織のためにこれを沈めようと画策する滝少佐。相変わらず敵だらけ。
組織か組織。僕も旧軍に性格の似た組織に属したことがあるからわかるが、ああいった外界と組織の中にいると、滝さんみたいな人間が出てくるのも仕方のない事だと思う。外界からは隔離され、人間関係もその組織の人ばっかり。世間を知らず、組織の論理という奴にドップリと浸かってしまい、まるで洗脳されたかのようになる。そこが内部腐敗や硬直化をもたらすのだが、先の大戦の反省はまだまだ足りないようだよ、日本のお役所。もっと反省しる!
