正直な話、煙草なんか吸わなくても生きていける。少なくとも昨年の春からはそう思い、生き長らえて来た。こんな世の中、喫煙者にとって居場所はますます奪われるばかりか、肝心の煙草のパッケージさせも見るに耐えない警告文に汚染されている。煙草を吸うことそのものが馬鹿馬鹿しくなってしまったのに...
何故だッ!
理由なんか探すだけ無駄なのかも知れない。そもそも無駄な事にいらぬ労力をつぎ込むのが人間であり、それこそが人生そのものである。果たして煙草のない僕の人生は、昨年の今頃の僕に考えられたものであろうか、そしてそれは誇れるものなのだろうか。喫煙という生き方は、時代に取り残される可能性のほうが遥かに大きいが、それでもなお前を向き続けることが、なにもかも正しいとは決して僕は思わない。
もしも惰性で吸うのならば戻りたくは無いものの、喫煙によって生きることが鮮やかになるのならば、また吸ってみたい気持ちで一杯である。たかが煙草、されど煙草、こんな小さな箱につまった棒のようなものにここまで人が考える世の中は、なんともまぁ寒いものだ。